当院の皮膚科診療について
当院では、皮膚科の診療に力を入れております。初診をご希望される場合、お電話にて予約をお願いしております。
日本獣医皮膚科学会に所属し、わんちゃん、ねこちゃんの皮膚のトラブルに対し、最新の知識、治療法を用い実践しています。
また、「皮膚がかゆい・赤い・ブツブツしている」などから
「なんとなくアレルギー食をあげているけど、良くならない」
「いろいろやったが、毛は生えない」など
様々な病気に対し、適切な診断及び治療を心がけています。
料金 初診料 5000円 (60分)
再診療 3000円 (30分)
診察時間の長さにより変動します。
また、当院では、難治性の場合、高度な治療が必要な場合でも、皮膚科専門医の先生と連携して対応することが可能です。
皮膚の異常を少しでも感じたら、ひどくなる前にご相談ください。
転院をお考えの方へ
初診をご希望される場合、お電話にて予約をお願いしております。
それまでの症状や経過、治療歴などの問診、必要な検査、診断と治療方針の説明まで1時間ほどかかることがあります。
以前まで違う動物病院でぺットを診てもらっていたことがありましたら、獣医師にお伝えください。
そして、服用されていた内服薬や検査結果のデータなどをお持ちでしたら、ご持参ください。
治療の際の参考にさせていただきます。
犬・猫の皮膚病
犬や猫の皮膚病は非常に種類が多く、症状が似ているものが多い為、最初に丁寧に原因を追究しないと、効果の無い抗生物質で耐性菌を作ってしまい、より悪化に繋がってしまいます。
治療法を間違えるとなかなか完治しないやっかいな病気です。
また、多くは「痒み」の症状をともない、患部を引っかいたり舐めたり噛んだりしてしまうため、かき傷や脱毛が起こり、これに細菌の二次的感染が加わると、皮膚の状態はさらに悪化してしまいます。
皮膚の異常を少しでも感じたらひどくなる前にご相談ください。
主な皮膚病と当院の対応
特に発症が多いと思われる以下7つの疾患について、その症状の特徴や当院での対応を説明致します。
なお、診察において個別状況をよく確認してから判断致しますので、
ここに記載している対応方法と実際の対応方法は必ずしも同じとは限りません。
また、2つ以上の疾患が併発していることも多くみられます。
膿皮症
- 症状
- フケ、カサブタ、ボツボツ、進行すると脱毛も見られます。痒みを伴います。
- 発生しやすい場所
- 背中、お腹、腋の下、股、首の周囲
- 当院での一般的な対処
- 皮膚科で使用する殺菌剤を含んだシャンプーを用います。
外用では治りにくい場合には内服の抗生剤を使用することもあります。
脂漏性、犬アトピー性皮膚炎、ホルモン異常などの病気が併発していると、治りにくかったり、再発しやすいことがあります。
犬アトピー性皮膚炎
- 症状
- 痒みに伴い舐めたり掻いたりすることで、皮膚が赤くなったり毛がなくなったりします。
ひどくなると、皮膚が黒ずんで細かいシワができたりします。
比較的若い時に痒みが生じます。殆どの場合は、慢性的で再発を繰り返します。
特徴として左右対称の皮膚症状が出ることも多いです。
- 発生しやすい場所
- 目のまわり、口のまわり、耳、足の先、腋、股
- 当院での一般的な対処
- 生涯にわたるケアが必要になります。
標準的にはステロイドを使用しますが、副作用などを考え新たなかゆみ止め薬(JAK阻害薬)、月1度の注射薬(抗体医薬)、減感作療法などを選択します。
また外用療法やスキンケアなどを補助的に実施し、減薬を目指します。
脂漏性皮膚炎
- 症状
- 痒みがあり、ベトベトして、独特の臭いが特徴です。
皮膚は赤くなったり、フケが出たりします。
- 発生しやすい場所
- 耳、口のまわり、首から腋の下、股、指の間、肛門のまわり
- 当院での一般的な対処
- 脂を落とすシャンプーやオゾンバブル浴、脂を好むマラセチア(酵母菌)が多い時には、抗真菌薬を使用します。
痒みの強い場合は免疫抑制剤やステロイドを用います。
生涯にわたるケアが必要なことが多い疾患です。
脱毛症
- 症状
- 痒くて掻いてできた脱毛と違い、左右対称に脱毛したり、特定の場所だけ脱毛します。
痒みを伴わないことが多いです。
- 発生しやすい場所
- 様々な場所にできます。
- 当院での一般的な対処
- 遺伝的、ホルモンバランスの異常、毛根の発毛周期の異常、皮膚の栄養失調、血行不良など原因は様々です。
検査などにより原因を追求し、治療を選択します。
寄生虫症
- 症状
- ひどい痒みを訴えることがあります。脱毛したり、赤くなったり、フケが出たりします。
- 発生しやすい場所
- 頭部、頸部、胸部から腹部、四肢、臀部
- 当院での一般的な対処
- 毛検査、フケの検査を行います。適切な駆除薬を選択します。
一般的には予後は良好ですが、再感染したりすることもあります。
外耳炎
- 症状
- 耳が赤くなったり、臭くなったり、腫れて耳の穴が狭くなったりします。
痒みを伴い、掻いたり頭を振ったりします。
- 当院での一般的な対処
- 耳垢、耳道の検査などにより、原因を探し対処します。
適切な点耳薬、内服薬を処方します。
また日常のケアの仕方についてのアドバイスもします。
皮膚炎(アレルギー)
- 症状
- 皮膚炎は、ほとんどの場合皮膚が赤くなります。
また血が出るまで掻き壊すほどの痒みを伴うこともあります。
- 発生しやすい場所
- ノミアレルギーは臀部、食物アレルギーは顔、肢端、腋、内股、腰部などです。
- 当院での一般的な対処
- よく見られる疾患に、疥癬アレルギー、ノミアレルギー、食物アレルギーがあります。
必要であればIgE検査を行います。
食物アレルギーでは、除去食試験を行います。
原因となるアレルゲンを除外し、ステロイドなどで痒みのコントロールをします。
正しいシャンプー方法
通常時のケアとしてシャンプーの仕方のアドバイス・ご指導も行っております。
お気軽にご相談ください。
適切なシャンプーを行うことで、犬・猫の肌のトラブルや皮膚病などをある程度未然に防ぐこともできます。
シャンプーの前にブラッシングを
シャンプーの前にブラッシングをすることで、粗いごみやほこりを取る事ができます。
また、被毛のもつれがある場合は特に、ブラッシングしてからシャンプーするようにしましょう。
ブラッシングをしないと毛玉がとれにくく、ノミなどの温床になってしまう可能性が高くなります。
からだ全体をぬるま湯でぬらす
ご家庭でシャンプーをするには、 シャワーやお湯が使えるお風呂場が良いでしょう。
被毛全体を、まんべんなくぬるま湯でぬらします。(お湯は30℃以下がお勧めです。)
温度が高いと乾燥やかゆみの原因になります。
お湯をかける時には、シャワーヘッドを犬の体に押し付けるようにして使います。
こうすることで水の音がしないので、音に敏感な犬や猫でも怖がる事が少なくなりますし、毛の根元や地肌まできれいに濡らしたりすすいだりする事ができます。
お尻や後足から頭へと順番にシャワーをかけていきます。
顔は耳にお湯が入らないように耳を押さえてからシャワーをかけます。
マッサージする感覚で洗う
シャンプーをよくなじませ、充分に泡立つまでからだ全体をマッサージする感覚で洗います。
お尻や後ろ足から頭へと洗っていきます。
脇、内股、指の間、爪の際、足の裏まで丁寧に洗います。
シャンプー量の目安は、短毛種:2ml/kg、長毛種:3ml/kgです。
汚れの程度に合わせて調節してください。
ぬるま湯で、すすぐ
充分に洗ったあと、ぬるま湯でからだ全体をよくすすぎます。
頭→顔→背中→胸→前足→おなか→おしり→後足の順に、体の高い位置から泡を落としていくようなイメージでシャンプーを洗い流します。
この時もシャワーヘッドをからだに押し付けるようにして使い、毛の根元・地肌までしっかりと洗い流してください。
シャンプーの成分を浸透させる
二度目のシャンプーで、成分が皮膚と被毛に充分に浸透するように、5~10分かけて、マッサージしながら、じっくりと洗います。
防滴タイマーがあれば、時間を正確に測ることができます。
再度、ぬるま湯で、すすぐ
再度、ぬるま湯ですすぎ残しのないようにしっかりとすすぎます。
必要に応じてコンディショナーをご使用ください。
タオルで水分をふき取る
タオルでよく拭いて乾かします。
タオルは一般的なものでも良いのですが、超吸収タイプのタオルがあると、より効率的に乾かすことができます。
また、大型のタオルのほうが作業がしやすいでしょう。
この時にも、毛だけをふくのではなく、地肌や毛の根元をしっかりと拭くことが大切です。
ドライヤーを併用する場合は、冷風を使用するか、なるべく離して使用するようにします。
シャンプー後の乾燥を防ぐため、ドライヤーの使用は最小限にとどめましょう。